人間の業の深さ…。
片方は、捕まえたい人物を捕まえ、片方は捕まえるべき人物を捕まえる。
全く逆の考え、性質の二人が、「相棒」と言う、横並びの立場から、その行動を容認され将来を嘱望される者と、過小評価され屈辱を味あわされる者へと立場が変化し、やがて周りを巻きこんでの大事件へ。
連続殺人を大筋にしながらの、終始、男性達の嫉妬や心理戦のドロドロが主軸となっており、
一切すっきりとはしないが、人の嫌な部分と言うものが遺憾なく描かれていた傑作かと思う。
でもさ…、嫉妬のまま突っ走ったとして、その荒ぶりが凪いだあと、どう生きていくのだろうか。
周りは皆、何が起こったか知っている感じやし。
結局、自分の全てとまで言い切った仕事の本懐にも背くような事になっているし。
部下が移動する時のあの言葉が、これからの人生の苦しみを臭わしていた。
