TakahisaHarada

ソウルフル・ワールドのTakahisaHaradaのレビュー・感想・評価

ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)
3.3
「赤ちゃんのときから個性があるのはなぜ?」という気付きから作られた作品。序盤に出てくる「何にも夢中になれない人はどうすれば良い?」(22番)とか、中盤以降の「夢を叶えたその先はどうなる?」(ジョー)に対してどんな展開が待ってるのか期待して観ていた。

両方の問いに共通して与えられるのは「夢が人生の到達点じゃなく、何気ない日常が人生のきらめき」という答え。その答えに異論はないけど、同じようなテーマでもっと粋な見せ方をしてくれる作品(「アバウト・タイム」、「もしも昨日が選べたら」とか…)はたくさんあるので凡庸だなあと思ってしまった。
「22番」はピクサーがこれまで制作した長編映画の数(22作品)と一致してるらしく、過去のピクサー作品の登場人物たちのようには夢や使命を見出せなかった人に対するメッセージも込められてるんじゃないかという解説を読んだ。
https://www.club-typhoon.com/archives/2020/12/27/soul-world-film.html
そのあたりの背景も踏まえて、深淵すぎるテーマに手を出して置きにいった作品になってるなあという感想。
(後で気付いたこととして)ジョーが子どもを授かる話ではないけど、世界のすべてに新鮮な反応を示す22番とジョーの関係は親子に置き換えられる。子どもを授かることでジョーのように世界の見え方が変わるんだろうか…自分が今まさに体験してることなので楽しみ。

制作のきっかけになってる「赤ちゃんのときから個性があるのはなぜ?」という気付きもソウルの世界の設定だけで触れられてないし(22番以外のその後は描かれない)、ジェリー、テリーの設定含めとっ散らかってる印象だった。
https://www.musicvoice.jp/news/202012250174368/
脚本家のケンプ・パワーズは40代で新聞記者から脚本家になったらしく、そういう人生の方が興味あるなあと思った。