DJ薄着

ソウルフル・ワールドのDJ薄着のネタバレレビュー・内容・結末

ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

面白かったけど、主語でかいぶんノイズも多くて回りくどい感じした。どれくらいの年齢層を想定してつくったのかな。確かに子供は夢ハラスメントや、目的ハラスメントあうこと日常茶飯事なので夢なくても生きててOKっていうメッセージよかったけど、行間を読む表現や言葉選びなど伝える手つきが大人向けな気がして少しチグハグしてるように思った。子供の感想も聞いてみたい。

見た後すぐは、22番が生まれる前の世界にずっといるのがいいのであればずっといればいいし、別に生まれないまま死ぬって選択してもいいのではと思ったけど、そしたら夢(やりたいこと)がソウルの世界に居続けたいとか死ぬとかになっちゃって夢持ってない22番というキャラクターが夢持つことになっちゃうから矛盾発生してしまう。でもそんな選択肢だってあっていいのでは。ではって言い過ぎでは。あときらめき=夢や目的じゃないっていうの面白いな。

ピアノの前でガラクタを前に演奏するシーンが一番よかった。だからジャズという設定だったのか。ジャズの音楽自体はあんまりピンと来なかった。音で一番良かったのは死ぬパーティクルの世界のところ。ボーーーーってなってて、ジッて消える。あの音チョイス嫌すぎて最高。夏のコンビニの虫殺す照明みたいな音選びした人天才すぎ。

最後の終わり方、特にエンドロール良くなかった。ソロバンも結局あんまり意味なかったし、生まれる前のソウルのキャラデザに自分は愛着が湧かなかった。ソウルのキャラデザに愛着とかおっさんが何言ってんだ感あるけど、生まれる前のソウルはもっと狂気を孕んでていい気がする(とはいえ性善説は信じたい)。エンドロールはジョーが生まれ変わった後にどんな感じで生活したかを少しだけでも見せて欲しかったな。別に何気ない普通の生活してる様子でもいいし、22番がやってたみたいに道で突然寝転がってもいいし、目を閉じたまま少し歩いてみたり、立ち上がると視点が高くなることなどに感動したりしてもいいし、ジャズは周りをもう少し見てもいい。
最後線に生き返ったらどう生きる?って聞かれて「さぁ、でも一つだけ言えるのは、一瞬一瞬を大切に生きる」でバン!と終わりなの、観客としてすこし置いていかれたように感じてしまった。けど改めて見返したら「さぁ」がすごく大事なセリフだったような気もする。

22番、喋れる赤ちゃんって感じで、めっちゃいいキャラクターだったな。シャワーで痛いっていうセリフがこの映画で一番良かったかも。全然ストーリー進まなくていいから、22番がなにかを習得するまでの感覚を永遠と言語化して欲しかった。寝てる状態から立ち上がるまでや、歩けるまでや、座れるなど。特にシャワーとか発見の宝庫すぎるので永遠と水に驚いたり、背中が自分でさわれないことや、ちんちん触ると硬くなることなどにいちいち驚いてほしかったな。そこだけで3時間は見たい。ドラマ尺希望。あと22番が黒いメンターに詰められるところ、就活で自己PR書くのにめちゃくちゃ苦しんでた友達(一緒に映画見てた)がその頃のことフラッシュバックして、以降の映画のシーン意識ほぼ失って何も覚えてなかったのヤバかった。(トラウマって、なんで虎と馬なんだろう)最初の食べ物、ピザじゃなくてマルボーロから徐々に慣らしてく方が良くない?と一瞬ハラハラしたが、味覚が経験として蓄積されていくものであれば初食ピザでもいいのかもしんない。現世に生まれてきた22番、記憶失ったコナンくんみたいだな。

死ぬ世界のパーティクルの動き、めっちゃかっこよかったな。あそこ道幅狭すぎるので、動物や虫、植物も死んだあと同じ道に来るとしたら道幅パンパンやねって思った。猫、主人公と入れ替わったタイミングであの道に置いてかれてたけどどうやって現世に戻ったんだろう。無意味だと思ってたソロバンが実は猫を現世に戻すのにめちゃくちゃ役立ったりしたのかもしれない。

ハリウッド映画が有名俳優ネタにして笑いとるやつあるけど、ピクサーだと世界共通のイジるネタ歴史上の偉人になるのおもしろい。めっちゃスベってたけど、末永いギャグだし、この映画をこの先何年も見続けてほしいって心意気感じた。この映画で一番政治宗教的に攻めていたのも実はここかも。

見終わって映画館から出てくるお客さんの様子見たかったな。一瞬でコロナおさまってほしい。