トシK

ソウルフル・ワールドのトシKのネタバレレビュー・内容・結末

ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)
1.2

このレビューはネタバレを含みます

ピクサーファンですが、この映画は正直嫌いな映画でした。
最初からずっと宗教臭く、最後まで乗れず。

…まあそこは目を瞑るとして、
今回は人物、特に母やドラティアの扱いが雑でしたね。
ピクサーが得意のはずの心情の変化表現があまりにもあっさり。
一番がっかりしたのは最後の展開。主人公補正がかかりまくる上にモラル的にも不誠実で…
「ええ〜…」と声が漏れるくらい引きました。
音楽もジャズを絡めているにもかかわらず印象に残らず。

ひとりだけ才能ある学生がいましたが、その子との関わりも中途半端でなんかもったいなかったなあ。
僕ね、これよりももっといいラストを思いついちゃいました。
読んでいただけますかね。笑


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ジョーは人生の「きらめき」に気づいたあと、以前家を訪ねてきたあの才能ある女学生に自分の想いと技術の全てを叩き込む。
22番の説得とお別れは本編どおりで、そのあとジョーは本来の運命を受け入れて天国への階段をのぼる(今回みたいにズルはなし!)。
10年後、22番は人間の赤ちゃんとしてこの世に産まれる。
彼女を抱き抱えるのは大人になった女学生でした…
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ジョーは人生そのものである音楽を奏でながら死に、
女学生がジョーから教わった音楽(彼にとっての「きらめき」)の素晴らしさを22番に受け継ぐことを予感させるラスト。
「死んだ人間であるメンター」と「産まれる前のソウル」の関係ともリンクしてて、まとまり良くないですか?

きらめきや性格は、それがほんの少しの「要素」だとしても22番のように『生まれてから』様々な経験を経て作られるものでないとこの普遍的なテーマとも整合性が取れてないんじゃないかな、と思いました。
本編では産まれる前に機械みたいに作られてたけど、生まれてからの環境や育てられ方、人との関わりにこそ「きらめき」を見つけるヒントがあるんじゃないかなと思ったんですよ。ジョーが気づいたように。


美容院のシーンと計算おばちゃんのキャラは個人的に好きでした!