ちゅう

ガリーボーイのちゅうのレビュー・感想・評価

ガリーボーイ(2018年製作の映画)
4.6
"内なる炎を吐き出せ"

素晴らしいの一言だ!


スラムで生活する大学生がラップでスターになるまでの物語なんだけど、もう最高でした😆

夢を追いかける時の気概とか鬱屈した日々に対する怒りとかほんといいセリフばかりだし、それを曲に乗せてラップするのがめちゃくちゃかっこいい!!


詳しい人からは今ごろ?と言われてしまいそうなんですが、最近フリースタイルダンジョンにハマってまして、地上波でやっているのを録画して観たり、過去の放送をYouTubeで観たりしてます。

一対一でディスり合いをするんですけど、いろんなスタイルがあるんですよね。
韻で勝負したり、音楽性で勝負したり、メッセージで勝負したり。
アドリブなんで機転が効くかどうかも大きな要因になったりします。
それを5人の審査員でどっちが勝ったか決めるんです。

即興のラップなんですけど、よくもこんなにも言葉が出てくるなと思いますよ。
言いたいことを曲に乗せて韻を踏みながらアドリブで歌うんですからめちゃくちゃ高度なことしてます。

それが音楽としてもかっこよかったり、韻が気持ちよかったり、メッセージが熱かったりでグッときたりするんです。


HIPHOPっていうとあまり馴染みがない人から見ると、ヤンチャな子たちがやってる音楽ということで敬遠する人もいると思うし、僕もこれまであまり聴いてこなかったジャンルなんですけど、エネルギーという意味では最高のジャンルなんだなと思います、特に今のご時世だと。


それに最近はヤンチャな子ばかりがラッパーになってるわけでもなさそうで、Rー指定というラッパーが「不良じゃなくてもラッパーになれんだ」と、あるバトルで言ってて奥が深いんだなーと思ったりしてます。
まあ、不良でないことを卑下する文化ではあるんですけど😅


で、この映画の主人公ムラドもヤンチャな子だったわけではなくて、でも社会の底辺みたいなところで生活しているやりきれなさみたいなものをもちろん持っていて、それを歌詞にしたら同じような境遇の子たちから共感を得たんです。

最近映画で最も多く扱われるテーマの一つである格差。
それを描くにはHIPHOPって最高の題材だったと思いますね。

とにかく音楽に乗せる言葉の数が多いから他のジャンルよりメッセージ性が強くて、その出自からしてその歌詞も甘くないけど熱くて、聴いていると胸にこみ上げてくるものがあります。

クライマックスのステージパフォーマンスではそのメッセージが物語とリンクして涙が出ました。

ほんと最高です😁


"生まれとか財産とか関係ある?"

関係ねーよ😆
ちゅう

ちゅう