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死刑台のエレベーターのKamiyoのレビュー・感想・評価

死刑台のエレベーター(1958年製作の映画)
4.5
1958年フランス映画。『死刑台のエレベーター』監督ルイ・マル

完全犯罪の成功に指先がかかったとき、転落の滑車がゆっくりと回り始める。
ラストショットの余韻がいつまでも心に残ります。
モダン・ジャズの帝王マイルス・デイヴィスの語り継がれる伝説の即興演奏と、無限の可能性を秘めた若き天才監督ルイ・マルのスタイリッシュな映像とのセッションとしても世界中の観客を魅了しました。

ファーストシーンで、ジャンヌ・モローの顔のアップが映し出される。潤んだ瞳、濡れた唇、「ジュテーム」の甘い囁き。匂い立つような色香を放っている。背景が全く映っていないので、てっきり、ベッドに寝ている彼女の顔を、真上からカメラが捉えているのかと思ったら、彼女は受話器を握りしめていて、電話ボックスの中とわかる。このファーストシーンに、目が釘付けになる。

武器商社の会社で、美しい社長夫人フロランス (ジャンヌ・モロー)と不倫の関係にある社長の右腕とも言われたジュリアン( モーリス・ロネ)。二人は邪魔な社長を自殺に見せかけて殺害しようと企てる。火曜サスペンス劇場みたいな 社長を殺害し、計画どおりフロランスと示し合わせた完全犯罪工作に取りかかろうとしたジュリアン、何と些細なミスから社屋のエレベーターに閉じ込められてしまう。そんなこととは知らずジュリアンを一晩中探し回るフロランス。そんな二人の状況とは別に、もう一つの恐るべきドラマが同時進行していた───。

夜の街を寂しげな表情で彷徨うジャンヌ・モロー。でも“クール”なんだ。
そこでバックに流れるのがジャズの帝王マイルス・デイヴィスのトランペット♪物憂げなジャンヌ・モローとパリの夜、
マイルスのトランペットが織り成すこの雰囲気は“大人”そのもの。
音楽の虚無感が映像とあまりにもマッチしているだけでなく
ジャンヌモローの素晴らしい いいね。。。、

ラストシーンで、現像されたばかりの写真に、抱擁する二人が浮かび上がるのみであるが、これが、犯罪の証拠になるという皮肉な結果

古い映画なのに新鮮だ。舞台はやはりパリ以外には考えられない
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