ぜにげば

アルプススタンドのはしの方のぜにげばのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

よかった。青春出来なかった人は、胸が締め付けられると思う。
謳歌していた人も無碍にしない所もいい。
両方居て、謳歌してない側にスポットを当てた映画。
してた側だった人はしてなかった側の人達がこの映画を見た時の感覚になれるかどうかは分からないけれども。
やるべきことは変わらないし、どうした方がいいのかも答えは既に出てる上で、どう向き合うかってやっぱ大切だよなぁと。
ただまあ、この物語に出てくる人達は結果的に幸せな方で、学生時代例えばいじめにあってたりとかして、苦痛でしか無かった人達からすれば、クソ映画なのかもしれない。
そういう人達の救いになるような映画も(どんなのか想像もつかないけど)見てみたいな。
現実問題無理かもしれないけれどもそれぞれの層に刺さる映画がちゃんと偏りなく充実して欲しい。
個人差あれど、人によっては些細なものでもいいけど、それでも「全員」が青春できる道は無いのかなぁとか考えてしまった。
高校生が羨ましいって大人は言うけど、その言葉って思った以上に重いよな。
まあとにかくいい映画だった。
細かいセリフも無駄がないし…
観客席しか映さない作りはすごいと思った。





2021/01/01追記
と、思いたいだけだっただったのかも…
大島さんと斉藤さんの不満を語るYouTube生放送を見て自分を押し殺してるのかもと気づいた。
※この放送は24時間で削除されるらしい
んー…。
俺はアルプススタンドの外にいた人間だった…そういえば…。
アルプススタンドの中に無理やり自分を引き込んでしまっていた…
野球をやってる人を写さなかったのに、スタンドに来なかった人すら描かない…
そうだよなぁ…。
この映画は素晴らしいけど、それによって発生してしまう肯定的な雰囲気がきついんだな。
あちらが立てばこちらが立たずというか、皮肉だけど野球をしている所を描いていたらこうはなってないかもしれないし、うーん…。
1歩引いてみれば完璧に当時を描いているとも言える。
作品外も含めれば。
ただまあ、この作品が演劇部の顧問が作った話ってのを知っちゃうと、両方にガタガタ傾く天秤も、否定的な方に落ち着いてしまうなぁ…。
凄くいい映画!!という感情もあれば、真逆の感情もあるし、真逆の感情を抱いている自分に対しても、同じ様にそれでいい!って感情と自己嫌悪(俺ってプライドたけーなぁみたいな)の感情もある。
無限かどうかは分からないけどあと3回くらいはループしそう。
そしてさらに、その時の気持ちの波とかで一方に強く傾き得ると思う。
映画体験としては結果として凄まじいけど、事実もやもやはしてるし、性質上晴れることはない。
少なくとも、この映画はランキングとかからは除外せねばならないな。
点数も中央の3点にしよう。
この感覚を共有できる人は意外とめっちゃ少ないだろうし、意外とめっちゃ多いだろう。
だからこそ大問題だし、だからこそどうでもいいっちゃどうでもいい。
はぁ…まぁ…学校嫌いって言う当時のどうしようも無い感覚を思い出してしまった…。

アルプススタンドの端の方という現象が、学校への鬱屈をそのまま表している。
ぜにげば

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