オザキ

SEOBOK/ソボクのオザキのレビュー・感想・評価

SEOBOK/ソボク(2021年製作の映画)
3.8
アクションSFというより、「必ず終わるロードムービー」の寂しさがそのまま「生と死」に投影されたポエティックな質感でいい感じに予想を裏切られました。
死に向かう男と生に囚われた少年という相反する立場のふたりの人間が、お互いの生と死に向き合い二人が抱えるものを混ぜ合わせて一つにしていく。そんな、日の入りとも日の出とも言える生死の曖昧なグラデーションが悲しくも愛おしいと思えるラストまでの旅路。
AKIRAアクションで肉付けされた寺山修司の詩のようでした。
「さよならだけが人生ならば また来る春はなんだろう」
でも、今作はこの詩の結びよりは「それでも生と死を抱えて行こう」という一握りの生命力があったようにも思います。
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