つきみ

少年の君のつきみのネタバレレビュー・内容・結末

少年の君(2019年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

とてもとても良くて自分が好きな映画だった。
正直あまり中国映画を見ないので、いつもだったらスルーしてしまっていたと思う。この作品を知ることができて本当によかった。

中国の青春映画(といっていいのか分からないけど)ってどんな感じなのだろうと思い見始め、中国の学校や町並みが新鮮だった。
予告の二人でバイクに乗って持たれかかってる場面、見る前は特になにも思わなかったのが、見終わった後こんな風に好きになると思わなかった。ベタだけど、広い中国のこの街から出ていきたい2人、作品にあってるシーンだと思った。
そして、学校近くの木が植えてある通学路を二人が道をはさんで歩いている(ちょうど端と端)を横から撮った場面がとても美しくて素敵だった。これもこの作品っぽさがあるシーンだと思ったし、ポストカードにしてほしいと思った。
あと、二人の通学シーンはすごく見てて微笑ましいし楽しい。景色のビルや道が(特に昼の坂を下ってくシーンなど印象的)、本当に新鮮でどこがどこに繋がってるのか分からなさや不思議な空間に感じて違う世界を散策してるようで楽しく興味深かった。
また、警察署の尋問の二人がお互いの嘘を守り通そうとするシーンがすごいなと思った。
それから一番最後、最初のシーンを考えるとふたりは一緒にいないのだろう、だから少年の君ってタイトルなのか…と想像していたら、普通に後ろから歩いてきて、予想外で本当に嬉しかった。

印象に残った台詞(うろ覚え)が、
「俺は君を救うから、君は世界を救ってくれ」
あるようで今まで聞いたことがなくて素敵に感じた。普通に聞いたら大きすぎるし、空虚に感じるけど、この2人の言葉であることでちゃんと響いた。
もう一つ刑事の「高校のとき寝るのが嫌いだから、刑事か医者になれと言われて刑事になった」と、最後二人とも罪を告白させたあとにとても眠いと言っていたのが、心情が現れてて印象的だった。

また、いじめていた女の子の謝って許してもらえないと分かった後主人公に言っていた言葉は、(どっちにしても傷つける言葉であるのは変わらないが)悪意をもって分かった上でやってるのか、普通に悪気なくそうだと思って言ってるのかどっちなのだろうと思った。
つきみ

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