おなべ

少年の君のおなべのレビュー・感想・評価

少年の君(2019年製作の映画)
3.8
◉シネフィルの知人の方々がその年のベスト映画と大絶賛し激推しされて、且つ第93回アカデミー賞の国際長編映画賞にもノミネートされており、最近では稀の期待値MAXで鑑賞に至る。結果、溢れる涙をこらえきれなかった。実際に起きた事件を題材にした社会派作品。

◉おとなしい性格で優等生のチェンは、数ヶ月後の大学入試に向けて勉強を進めていたが、とある事件をきっかけに、いじめられるようになる。そんなある日、学校の帰り道で集団暴行にあう青年を目撃し、警察に通報するも…。

◉“受験戦争”・“いじめ”・“ストリートチルドレン”…これらの諸問題の数々は万国共通のテーマ。本作では、巧みな演出で皮肉を効かせながら社会問題に切り込んでおり、特に“いじめ”に焦点を当て、いじめによる悲劇とその顛末を描いている。(※いじめ描写は正直かなりしんどいため、耐性のない方はご注意を。)

◉主演2人の好演を語らずして、本作は語れない。特に目や口の動き、涙など表情だけで語る表現力(語ると語るでややこしくてスミマセン...)が凄すぎて、素直にたまげた。2人の花丸の好演に高評価。

◉いじめっ子の主犯の女の子も中々。役を完璧に演じきったと言っても過言ではない。本作に感情移入した理由の内の一つは、間違いなく彼女の憎たらしさにある(もちろん良い意味で…)。

◉ 願わくば『怪怪怪怪!』のような展開を期待していたものの、テイスト的に流石になくて少し残念。こちらも面白いので、気になる人はチェック⭐︎
https://filmarks.com/movies/76529/reviews/112407793











【以下ネタバレ含む】












◉“いじめ”を無くすには。いじめとカテゴリするのではなく明確な“犯罪行為”と規定する案など、世界中で問題視されている。制度化して終わりじゃなくて、個々人の環境に沿った柔軟な対応と意識の働きかけが必要…そんな事は分かってるけど、無くならないのが“いじめ”の怖さ。いじめを無くす方法は、明確な答えは出ず…。
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