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スーパー30 アーナンド先生の教室のnhr703のレビュー・感想・評価

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貧困層よ、知をもって這い上がれ!
インド版ドラゴン桜。実話をもとにした社会派教育エンターテイメント。

カースト制度が残るインドと日本では環境違うかもしれないけど、通ずるものはある。私自身も、授業料の問題で塾で取りたい授業取れなかった。塾嫌だな〜とか言ってる人超羨ましかったもん。(なので高校大学と確実に進学決めるために推薦制度を使うのだけど、それは本作でいう一種の「工夫」)

「人生を人生にするお金」
「教育は黄金の道」
「王の子どもが王になるのではない、能力のある者が王になるのだ」
劇中のセリフや音楽に金言が散りばめられている。

貧しさとは選択肢が選べないこと、
豊かさとは選択肢が増えること、
だと改めて感じた。努力云々の前に努力できる環境がそもそも無い。スーパー30に入れた生徒たちは言うならば抜群の天才たちなわけで、こういう制度があっても、圧倒的に才能があって初めてチャレンジできるわけなのだ。金持ちの凡人よりもずっとずっと下のスタートなのだ。

本作では前段になるパートだけど、父親が明るくておちゃめで一生懸命で、息子に服を仕立て直してるとことか「家族ではじめてのパスポートだ!」とか、一生懸命無いお金を工面して支援してるのに、頼みの綱が外れてお金がどうしても工面できないところが辛すぎてガチ泣きしちゃった。切ない。むり。
でもこの家族は今まで不幸だったわけじゃないんだよね。裕福では無いかもしれないけど、そこで生活できるだけのお金はあるし、郵便配達をする父親は地域の人に幸せを運ぶ人、として尊敬されていた。それがラスト主人公を助けるきっかけにもなっている。だけど、海外の大学に進学、となると不相応になってしまうのだ……。

あと元カノが超カッコよくて泣ける。「私の顔がフィーじゃないからね?」は全てわかってて、彼に負担を負わせないための言葉。時が経って別れてからも窮地に陥る彼を助けたいと思う行動。ほんっと今の旦那と幸せそうになってて良かったよ!!!!涙

ライバル塾の塾長には正直同情もしたなー。だって道端で腐ってた男を拾って人気講師にして対価も支払ってたわけで。それが一言の断りも無しに塾辞められて無料塾始められちゃ、やってられないよ〜〜。笑
大臣に唆されるまでは妨害も可愛いものだし、勝負のテストも不正はしていない。ある意味可哀想。

実際のアーナンドも最近まで襲撃を受けていた、という事実が恐ろしい。それでも信念をまげずに今も教壇に立っていることに尊敬の念ばかり。パンフのインタビューは読み応えがあった。おススメ。


どうでもいいけど、生徒役にKing Gnuの井口(にそっくりさん)居たのが凄く気になってしまった。笑
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