Aria

ブラック・レインのAriaのレビュー・感想・評価

ブラック・レイン(1989年製作の映画)
3.7
再鑑賞。

ブレードランナー のリドリースコット監督作とあって、ブレランを彷彿とさせるような日本の文化が散りばめられている。

序盤のアメリカのシーンから一転、
日本を舞台に移した途端に
まったく違う色になるのも流石。

少し霧がかった場面が多く
梅雨の日本のじっとりとした感じがよく出てた

一番好きなのは
ニックとマサがうどんを食べるシーン

それまで水と油のような関係だったが
このシーンから一気に距離が縮まる。

健さんお得意の溜めの演技も素晴らしいー!
惚れ惚れしてしまう。


松田優作のイカれチンピラの役も圧倒。
得体の知れない危ない奴感が
出ていて気持ち悪いです(褒め言葉)

ラストのアクションシーンでの
殴られる演技に勢いが足りてなくて
昔から疑問だったのですが
この時既に末期だったとか…

松田優作の俳優魂に脱帽


最後のアクションからの
警察署への一転は最高に好き
あのカット替わりだけで100点です。

ニックの中で佐藤を憎む気持ちがあれど
あそこで殺していたら
ニックというキャラクターは
好きになれなかっただろうと思う。

うどんのシーンでのマサの言葉
「盗みは盗みだ。
グレーの部分なんてない」
「盗みは彼を汚す事だ
君自身を汚し俺まで汚す」

これがニックのラストの行動の
伏線の一つのように思います。

アメリカという土地で
正義と悪が曖昧になっていたニック
平気で嘘をつき、言い訳をして
甘えていた。

しかし日本で体験したことが
ニックの考えを大きく変えた。

人のいいチャーリーや
実直なマサと共に捜査を進める中で
ニックの中で正義が確立されていく。

それを決定づけたあのシーンは
最高に興奮する。

若山富三郎や、神山繁、内田裕也などなど
豪華キャストで固めた日本人キャストの
活躍も見応えあり。

若山富三郎の英語が
割と聴きやすくてびっくり。
ディズニーのヴィランのような
声色の英語(笑)

あと安岡力也って
個人的にはどんな映画に出ててもかなり
強い印象が残る。

体格なのか、圧のある存在感なのか
彼もすごいなといつも思います。

ゴルフ練習場で
ニックを掴んで落ちそうなギリギリの所に
引っ張るあのワンシーンだけでも
かなり強烈。

チンピラ佐藤VS
仁義を通すTheヤクザな親分たちの
対峙も良い。
Aria

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