こやち

FUNAN フナンのこやちのレビュー・感想・評価

FUNAN フナン(2018年製作の映画)
4.0
フナンはかつてインドシナ半島に栄えた古代国家の名前。扶南。
カンボジアの1975年からのクメール・ルージュの革命時に生き別れになった3歳の我が子との再会を信じて生きる母親の物語。
この母親チョウは監督の母親をモデルとしているという。

ポルポト派とかクメール・ルージュについては『キリングフィールド』で勉強したけれど。ベトナム戦争の煽りを受けた泥沼の内戦からソ連・中国そしてアメリカの思惑に操られる政府軍とクメール・ルージュ。もう何が何やら。いずれにせよこの革命の名の下に国民が200万人も虐殺されてしまった。革命とは何だ。何もかもオンカー(組織)のため。誰も幸せにならないオンカー。誰もが同じ黒い服を着て同じ髪形で見分けがつかない。組織の為の労働者は誰でも同じ。労働力でしかないのか。

クメールルージュは資本主義に汚染されていない少年たちを利用し重用したので(一瞬そんな場面もあったか)、息子と再会した時に洗脳されてたりすると悲劇だと思ったが、まだ幼なくてそこまでは至らずホッとした。

何があっても生き延びなくては。
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