チャールズ・M・シュルツの『ピーナッツ(A.K.A. スヌーピー)』のライナスのフェイバリットムービーでもある『市民ケーン』創作の舞台裏を描いた作品。
しかしながらオーソン・ウェルズの話ではなく、脚本家ハーマン・J・マンキーウィッツ(=マンク)が自分の政治理念…とはまた違う信条や道徳観と仕事の板挟みに悩まされる話。権力vsクリエイティビティ。
白黒だからというだけではなく、その映像の質感はまさに光と影の使い方を含め『市民ケーン』そのもの。今作の見どころはその白黒撮影の伝統と革新と言っても過言ではないかも。
現代版『市民ケーン』と言えなくもないデヴィッド・フィンチャーによる『ソーシャル・ネットワーク』。それ以降の全フィンチャー長編監督作品で音楽を担当するトレント・レズナー&アティカス・ロス。相当ウマが合うんだろうな。確かにフィンチャー作品に漂う乾いた荒廃感はトレント・レズナーのそれと共通してる。