単純娯楽映画かと思いきや、アメリカの複雑な事情を孕んだストーリーでした。
12人の男女が謎の襲撃者達に「ハント」される。なぜ彼らは狙われるのか？
強い女性による激しいアクション。グロテスクなシーン多め、ベティ・ギルピン演じる主人公が強すぎ逞しすぎ。さすがに道中で排◯したシーンはちょっとびっくりしたけど。
主人公たちが狙われる理由については、登場人物達のセリフ、「狩られる」人間達の特徴を考えれば、序盤でもある程度わかるかもしれない。それぞれの思想や信条は異なれど、辿りつくところは「あの人」の支持基盤ですかね。そう考えると主人公の思想が作中で妙にぼかされてる気がするのも、なんか複雑です。だけど「忘れ去られた」人々に通ずる悲しさも、主人公から感じられたり。
人は信じたいものしか信じない。でも根底にあるのは結局「私は正しい」という思い込みなんでしょうね。だから、リベラルも保守も対立する。それぞれが抱える矛盾や問題を直視せずに。
この映画自体は、わりと中立な視点でつくられていると、私は思いますけどね。
こういう映画をつくることはなかなか勇気がいるだろうけど、こういう作品も必要なんだと思います。
