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ソー:ラブ&サンダーのBATIのレビュー・感想・評価

ソー:ラブ&サンダー(2022年製作の映画)
2.2
クリスチャン・ベイルは「フォードvsフェラーリ」に並ぶか超えるくらいのキャリア・ハイの演技だったけど、映画自体は出そうとしている料理が多すぎてワイティティの手に負えなくなってるし、雑だし、私はかなり嫌い。

「ラグナロク」、「ジョジョ・ラビット」とワイティティのDJセンスというか勝ち筋も今回は鈍だった。その曲そう使いたくてのガンズだったかというのは分かるけど、それも技としては決まっておらず。

ゴアのラインとジェーンのライン、それと◯◯のラインと総じて「弱者を救済してくれない神」≒運命への憎悪/選択としての「神殺し」が裏テーマなんだけど、そこもクリスチャン・ベイルの演技でしか浮かび上がってこない。

ベイルが演じている冒頭と終盤は本人出演したリドリー・スコットの「エクソダス」のようでしたね。最近のベールさんの演技は内にある感情のアウトプットというよりか化学変化のようなスタイルになってきていてここへきて急に上手くなったなぁ。ちょっと格が上すぎてクリヘムもナタリーも負けてる。

「ラグナロク」はそんなことなかったのに戦闘構成なんでこんなに平坦なんですかね。ゴア戦はそんなに悪くはないですが、集団戦闘がシミュレーションゲームの戦闘アニメみたいだった。

とにかく出す料理の多さと量と腕が釣り合ってなくて、なおかつ「子供」方面の演出で本当に嫌いな映画になった。

この話やるなら最後までピーター・クィルはいた方がいいんじゃなかったかなぁ。なおかつ監督もジェームズ・ガンの方が適材適所だった。なんか使い所に困ってる様子ではあった。あとソー自身よりもヴァルキリーとジェーンの方がよっぽど魅力的だったので、実質この二人主人公にしてた方がよかったんじゃないですかね。なんかソーを今でも引っ張る理由があんまりわからなくなってきてしまってます。

運命の話はきっとジェームズ・ガンのほうがよっぽど上手く出来るだろうね。あと今回のソー・オーディンソンはキャラがワイティティ入っているので若干別キャラに感じるんだよな。きっとテーマの話もワイティティのパーソナルなところから持ってきているのではないかな。
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