ピポサル

ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバーのピポサルのレビュー・感想・評価

4.2
追悼と継承に振り切っていてとても感動した。現実世界と地続きで俺たちの王が不在であることをオープニングで示される。
シュリはまだ成熟した大人ではないものの数々の絶望と意思決定を重ねていく。王の器に相応しいよう成長していくが、ネイモアとの会話から最後まであまり心理の変化や葛藤が見てとれず、成長譚としての物足りなさを若干感じてしまった。

ネイモアは最初は絶望的な存在だったけど自国の民を守ろうとする普通の王なんだとわかり、それ以降は憎めない存在に。というか俳優の顔といい声質といい華麗な空中戦といいかっこよすぎだろ。ただ、シュリと同じようにネイモアの人物描写も、彼のバックボーンが描かれて以降ちょっとテキトーな感じに思えてしまってそこは残念。

映像、音楽、衣装は素晴らしくこれだけでも人物描写の不完全燃焼は払拭される。民族音楽の要素をふんだんに取り込んだ劇伴に戦闘員のユニフォームとメイク。タロカンはじめ水中の映像もアクアマンやアバターとはまた異なるような美しさで、最後の最後まで飽きなかった。

デカいスクリーンで観たいのでどうかIMAXで2Dも公開してください......
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