たいてぃー

夕陽のあとのたいてぃーのレビュー・感想・評価

夕陽のあと(2019年製作の映画)
3.2
本作監督の越川監督、山田真歩主演で、「アレノ」って、作品があった。ゾラ原作のミステリーで、山田真歩演じる主人公の心情が分かり辛くもあったが、演技力には目を見張るものがあったと記憶している。
本作の舞台は、鹿児島県長島町。県北西部の島で九州本土とは橋で繋がっている。だけど過疎化は顕著。山田真歩演じる五月は、永井大演じる夫と養殖漁業を営んでいる。息子の豊和がいるが、実は里子。本人には告げていない。近所の主婦たちとの会話で五月が不妊治療していたことが、分かる。その治療費を聞かれ指3本を立ててた。そんなに高額なのか?知らなかったが、治療法により高額になってしまうとのこと。ストーリーは、豊和の特別養子縁組の準備へと進むが、実親の許可が要るとの問題点があって。
この長島町に1年前に越してきたのは、貫地谷しほり演じる茜。五月家族と交流する態度が何かを予感させる。五月と二人で見る、海と夕焼けシーンが美しい。この辺りはオーソドックスだが、二人の女優の演技力も手伝って、結構引き込まれた。
しかし、その後の豊和の出生や実の母親を遡って追求する件は、下世話なネタ感が強い。そして、その理由をセリフで説明するってのもくどく感じられた。もっとスリムにした方が良かったのでは?
本作に出演していた、木内みどりさんが亡くなった。五月の義理の母親役。優しいけれど芯の強い、厳しくもあるって昔気質の母親役を絶妙な演技。反原発活動に力を入れてたのも思い出した。享年69歳。早すぎる!ご冥福を祈る。