Sachika

ハリエットのSachikaのレビュー・感想・評価

ハリエット(2019年製作の映画)
4.0
自由か死か。
それしか選ぶことのできない、黒人奴隷たち。
白人のご主人様、過酷な労働、引き裂かれた家族、家畜の豚と同じ扱い。
奴隷の立場から北へ逃げ切り、奴隷解放の活動に尽力を尽くした実在の人物、ハリエット・タブマンの生涯を描いた本作。

夫・家族・友人と一緒にいることができる今はなんで幸せなんだろうと思ってしまうくらい、すべては白人の所有物。
親が奴隷なら子供も奴隷。
新しく生まれる赤ちゃんも、農場主の所有物になる。
家畜のように売り飛ばされそうになる直前、脱走し助けを求める。
逃げ切った先の景色の美しさ!

「モーセ」と呼ばれたミンティことハリエット・タブマン。
農園から解放の道を切り開き、多くの黒人を自由に。
黒人解放を斡旋する組織・地下鉄道のメンバーであり、車掌(奴隷を誘導する役割)として多くの奴隷たちを救う。
ハリエットの神がかり的な部分も描かれているけど、晩年の写真を見たらなるほど…としか言えないオーラ。

実際に予言できたかはわからないけど、もしそうなら行動力だけでなく、その神聖なオーラに魅了されて、仲間になった人、付き従う様になった人、信頼した人も多いのだろうね。
ただちょっとだけ、その神の言葉で全てを回避していくから、わりかし逃亡劇がすんなり上手く行ったように見えてしまったのが残念。

エンディングの曲と映像がすごく好みだったから、そこだけでもポイントが高い。
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