ちぇるごまる

ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコのちぇるごまるのレビュー・感想・評価

4.1
イギリスの猫画家、ルイス・ウェインの実話。

イギリス貴族の主人公は父親亡き後、母と妹たちを養うために挿絵画家として働き家計を支えていた。
その才能は素晴らしいが、金銭感覚に鈍く純粋な彼は興味が無いことには気乗りしない。
生活費を少しでも多く稼いで欲しいと家計を仕切るすぐ下の妹にせっつかれても、逃げる日々。
そんな主人公の人生は幼い妹の家庭教師と出会ったことで大きく変わっていく。
身分違いの年上女性との結婚は周囲から大反対されるが、それでも誰にも干渉されない2人は幸せな日々を過ごす。
しかし、いつしか妻は体調不良に悩むように。
ある雨の日、庭で小猫を見つけた2人はピーターと名付けまるで子どものように大事に飼う。
病床にある妻を想い、ピーターの絵をたくさん描いて励ます主人公だが、まもなく彼女は亡き人に…。

泣けた…。
損得勘定は皆無に等しいくらい、感覚で生きようとしていたようなルイス・ウェイン。
彼は自身も精神を病みながらも亡き妻が残した言葉を胸に、どんな困難をも乗り越えてきたのだろう。
妻との絆、猫との縁…そして、電車で会った紳士との縁は、彼が亡くなった今も素晴らしい功績となり本の表紙を飾るなど彼の猫画は私たちの日常に生き続けていると思うと、涙が止めどなく溢れてきた。
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