このところ「悪人伝」や「新感染 ファイナル・エクスプレス」で目立っている重量級の俳優マ・ドンソク主演のクライムアクション。マ・ドンソクは、ある犯罪集団を追うために、超法規的措置で一時的に刑務所から解放されて、悪のチームに迫るという役どころを演じているが、その圧倒的な強さを発揮するシーンには胸の空く思いがする。その体型からか、どんな悪人を演じていても心憎めないところがあるが、この作品もまさにそのまま。マ・ドンソクのためにあるような作品かもしれない。
韓国映画には珍しく、それほどひねりのあるストーリーでもなく、エンタテイメントに徹しているところが、また素晴らしい。またマ・ドンソクとチームを組むメンバーもなかなか面白いメンツで、そういう意味では登場人物たちにもそれぞれ魅力があり、楽しく観ることができる。日本ではあまりマ・ドンソクのような俳優は見当たらない。もともとがアメリカでデビューして、韓国の作品に出演するようになり人気を得た韓国系アメリカ人の俳優だが、マーベルの「エターナルズ」(クロエ・ジャオ監督)にも出演するようで、今後の活躍にも目を離せない。
