Sachika

1917 命をかけた伝令のSachikaのレビュー・感想・評価

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)
4.8
第一次世界大戦(1917年)、フランス・イギリス連合軍とドイツ軍の戦いの中、ドイツ軍は一時撤退をした。
当初それが好機だと、前線は攻撃を仕掛ける作戦であったが、その撤退はドイツ軍の戦略的なものだった。
つまりこのまま攻撃を仕掛ければ失敗に終わり、1600人のイギリス兵が命を落としてしまう。
前線に兄がいるブレイクと、スコフィールドは、攻撃中止の伝令を届ける任務を言い渡される。

仲間の為、兄弟の為、友人の為に、危険を承知で伝令を届ける為に奔走する姿や、人の死を目の当たりにしても、自分の死が迫っても、恐怖よりも先に走り続けなきゃいけない使命感。
ワンカット風のカメラワークのおかげか、自分がその場にいるような錯覚に陥って、戦場の中心に近づけば近づくほど緊張が走った。
これが没入体験ってやつか…!

うまく言えないんだけど、自分が戦場にいるんじゃなくて、映画を観てる側なんだって気づいたとき、安心感とかなんだかよくわかんない感情で、無性に泣きたくなった。
それくらい緊迫した空気と、使命を全うするっていう気迫みたいなもので張りつめているのかも。
家ではここまでの感情には、もしかしたらなかったかもしれない。
映画館で見てよかった。

おどけた話をして恐怖心を隠し戦っている兵士たちや、スコフィールドが伝令を届けた先のブレイクの兄の反応とか、要所要所にグッとくるシーンがあって。
強く戦っている姿に感動したし、印象に残っているなあ。
それからふと気を抜いた時、戦争や死とは対比する様な、赤ちゃんやチェリーの花、木々の緑に「生」を感じて、より美しく見えました。
Sachika

Sachika