あおや

1917 命をかけた伝令のあおやのレビュー・感想・評価

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)
3.7
舞台は第一次世界対戦真っ只中の1917年。この戦争映画における主役は【伝令】である。

伝令は、いつ敵と遭遇するやもしれぬ広大な戦地を昼夜を問わずたった二人(一人)で突き進んでいく。塹壕や廃墟、もはや敵か味方の判別もつかないほどの暗闇の中を。“静”や“暗闇”を巧みに使いながら、それらをほぼ“ワンカット”で繋ぎ合わせる圧倒的なカメラワークと音響によって本作は緊張感が一切途切れない。

当初は任務に選ばれたことを悔やんでいたスコフィールドであったが、友の死を目の当たりにして彼の中でひとつの“大義”が生まれる。その後彼は何かに突き動かされるように走り続けるのだ。大佐に伝令を届けるため一心不乱に戦火を走るシーンはとても印象的。
その意味で、人間は“大義”が行動の原動力になるのかもしれない。戦争においても、国同士で戦争が始まり、言われるままに徴兵され、死にたくない一心で命を守るために戦う。戦争に対して受動的に動いていたスコフィールドが、ブレイクの死をきっかけに、強い意志を持って戦地を駆け抜けていく様には胸を打たれるものがあった。

登場シーンは僅かであったがマーク・ストロングの兄貴は相変わらず渋い。
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