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おもかげのmycanのレビュー・感想・評価

おもかげ(2019年製作の映画)
4.5
有楽町界隈で映画観たいな、これと言って観たいものないな、この中ならまぁこれかな・・・という消極的選択で鑑賞。
結果、大当たり!!!

「おもかげ」ってタイトルがなんか古臭いというかパッとしないが、(原題も”Madre”(Motherってことですな)だからどっちもどっち?)、すっごく面白い映画だった〜。(笑えるという意味じゃなく)

主人公エレナのほとんど一人芝居状態の導入でいきなり作中に引っ張り込まれて、ハラハラドタバタ始まるんだが、そのあと一転不思議な世界に放り込まれる感じ。
エレナのトーンも別人だし。

はたから見るとイカれたスペイン女、でも相手によってはミステリアスな女性。
10年前に居なくなってしまった息子に似た16歳の男の子〜オトコの狭間のジャンと、「どういうつもりで相手してるんだろ?」と思っちゃうようなきわどい関係に。

もう想像でしかないけど、6歳の男の子から思い出が止まってしまっているところに成長した姿で現れて、しかし息子に似てる他人なのは分かっていて、それでも息子の幻影を映して見てしまう。そこへもってきて、思春期 & 3兄弟の真ん中の少年は恋慕やらなんやらに駆られて突っ走ってくるし、それで自分も母性なのか別の感情なのか、堺が揺らいじゃったのかな?
というか当人そんな客観的思考が不能なほど気持ちが乱されていたのだろうな。

あと解釈できてないけど、海と森で世界線が分かれてるよね? 元夫が「ここは良いところだね〜」って森を見てしきりに言ってたのも意味がありそうな。ジャンとは海の場面も森の場面もありました。(さいごも。)

↓ ネタバレ?⚠️

で、最後に元夫に電話するじゃないですか?あれ何ですか?ま、まさか、スタートオーバーしない?とかそう言う? さすがにそれはない? こないだはなじってゴメン、みたいな?
最後がどうしてもよくわからないのよ私。
なんにせよ、エレナはまた自分の人生の時計を刻み始めたのやな。

まとにかく、ときどきこうやって条件選択による思いがけないワンダホーな映画に出逢うのいいよね!

あと言っとかなきゃなのが、エレナを演ったマルタさんがすごく魅力的だったのと、脚がすっごく細くて長いの!あたし鑑賞中「あしほっそっ!あしなっがっっ!!」と見る度に心の中で叫んでたわ。(笑)
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