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異端の鳥のmarixxxのレビュー・感想・評価

異端の鳥(2019年製作の映画)
4.0
開始1分でツライ…と思った15分後に絶望感…。そこから息をつく間もなく絶望のループの約3時間でした。

第二次世界大戦中にホロコーストを逃れる為疎開していた少年のお話。叔母と暮らしていたが、突然の叔母の死と火事により行き場を失ってしまう。生き場所を探すようにあてのない旅にでるが、その先々で待ち受けるのは過酷な迫害、暴力、差別だった。

人って自分とは違うものをここまで異物として排除するのだろうか?ずっと辛い目に遭っていた少年の目から生気が無くなって、妬みや残酷さに染まっていく過程が怖かった。トラウマ級にずっと辛い、痛いのにモノクロの画がとても美しかった…。
邦題も納得だけど、原作名の「The Painted Bird」も途中のシーンと相まって、あぁ…と苛まされます。

ウィキで調べて知ったのですが、映画で初めてインタースラーヴィクという人工言語を使って、舞台の国や場所が特定されないようになっているそうです。凄い。

あら、この軍人さんイケメン…と思って観てたのがバリー・ペッパーで意外な俳優さんが出演もありました。辛いけど、また観たくなる勝ち組映画。
忘れちゃいけない、この世の中で一番怖いのはやっぱり人だと思う。
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