モリユウキ

マリッジ・ストーリーのモリユウキのレビュー・感想・評価

マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)
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未婚の自分にはどこまで理解できたかわからないが、裁判ものは人間の欲望を炙り出し、見応えがあるなと思った。愛憎含め、一概に切り捨てることの出来ない相手との争い。弁護士同士のやり取りが当人たちの思惑を越えて話されるも、当人たちだけで話し合おうとすれば罵り合いになっていくという図式の世知辛さったら。
作品を通じたアダム・ドライバーの立場に同情的になってしまう自分の男性性的暴力性と、スカーレット・ヨハンソン演じる母親の社会抑圧的立場への支持とで精神的に引き裂かれました。
ミイラ男の格好でばっちり待っていたのに息子からあしらわれる物悲しさと、自分の良いところを音読するラストが特に食わらされたシーン。