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マリッジ・ストーリーのmayaのレビュー・感想・評価

マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)
4.0
「話すこと」で、それぞれが自分の心と身体をなんとか形作ろうとする過程が丁寧に描かれている映画だと感じました。
「君が病気になって、事故に遭って、死ねばいいのに」と、憎しみをあえて具体的に言葉に出して相手を殴ろうとするのも、それに愛が傷ついて身体がついて行かなくなり涙が溢れるのも、感情の発露として本当にリアルで苦しくなる。
女弁護士が唯一自分の言葉で話す「聖母」の話、彼女の根底にある怒りが、彼女を突き動かすエネルギーであることがあの語り一つでわかる。「でも仕方ない」と言うセリフの裏腹、全く納得できないから怒り、闘い続けているのだ、ということが伝わる。
こころは言葉にすることで初めて形になるが、それは決してことばそのままの形ではない、ということに痛いほど頷いてしまった。
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