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HOKUSAIのtottsunのレビュー・感想・評価

HOKUSAI(2020年製作の映画)
3.7
「HOKUSAI」🎬47
町人文化全盛の江戸。後の葛飾北斎である貧乏絵師の勝川春朗(柳楽優弥)は、不作法な素行で師匠に破門されたが、喜多川歌麿や東洲斎写楽を世に送り出した版元の蔦屋重三郎(阿部寛)に才能を認められる。北斎は次々と革新的な絵を手掛け、江戸の人気絵師となるが、幕府の反感を買ってしまう。
北斎先生、今の時代はしあわせな時代でしょうか?
彼が生きていたら、今の日本を見たら、どのように思うのか尋ねてみたい。
たまたまではあるだろうけど、コロナ禍の今と重なるかのような部分がいくつかあって気になった。
そもそも、およそ一年前にコロナの蔓延で延期になってようやく公開したわけだけど…
まさか今年もこんなにコロナの影響が大きくなるとは思いもしなかったから無事に公開してくれただけで感謝。
129分の本編を4章に分けて、
さらに2章ずつ青年期と老年期に分けて描いているんだけど特に老年期の田中泯の演技が躍動感が半端なかった。
特に柳亭種彦の最後のシーンは目を覆いたくなるほどだったけど、あの2人の雰囲気がそうはさせてくれなかった。
瑛太の演技ってかなり久しぶりに見たけど、年齢を重ねたからこその良さが溢れてるように感じた。
青年期のシーンは出演者たちも多く豪華な印象ではあるもののちょっと冗長に感じられたかな。
後半の、ほんの短い時間ではあるけど版画の職人のシーンがあって、その工程がとても気になったから本当はもっと見たかったくらい。大きなスクリーンで見た北斎の波の描写はとても豪快でありながら渦を巻き、水飛沫が消えゆく様を描いているような独特な描写がやっぱり印象的だしちゃんと美術館にも足を運んでみたい。
実際の彼は引っ越しを生涯たくさんしたっていうエピソードだったり、屋号をしょっちゅう変えたっていう破天荒エピソード多いからそういう部分があっても良かったのかも。
私的には☆☆☆.7かな。
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