Sachika

ハニーボーイのSachikaのレビュー・感想・評価

ハニーボーイ(2019年製作の映画)
3.9
いい父親が欲しかった、自分を愛してくれる父親が。
子役として幼い頃から活動し、大人になった今でも、その存在と記憶がいつしかトラウマとなり、オーティスの心を蝕み、アルコールに溺れていく。

物語は事故を起こしたオーティスが、施設でカウンセリングを受けながら、少しずつ幼少期の父と過ごした記憶を振り返る形で進んでいく。
「父が唯一くれた価値あるものは痛み」そう考えていたオーティス。
12歳の子供には見えていなかった父親の愛情。
しかし過去に立ち返ると、痛々しい程の父の思いが確かにそこにはあった。

オーティスは父親をしっかりと見つめているのに対し、父親は子供に全く目線を向けず、目を合わせていない印象を受けた。
それが自分の恥なのか、申し訳なさなのか…。
自分に目線が行かないと、不安になるのかも。
自分を見てもらえないのは、愛されていないからだって。
そんなノア・ジュプくんの目の演技、視線の向け方が良かったので注目してほしい。
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