ShinMakita

ファナティック ハリウッドの狂愛者のShinMakitaのレビュー・感想・評価

1.3
LA、ハリウッド。大道芸人で生計を立てるムースは、筋金入りの映画オタク。特にアクション俳優ハンター・ダンパーの大ファンである。ある日、知り合いの本屋でハンターのサイン会があると聞きつけ勇んで参加するが、会場外までハンターに付きまとい怒りを買ってしまった。翌日、自身の行為を謝罪し、もらい損ねたサインを手に入れるため、ハンターの自宅前まで来てしまったムース。当然ハンターはブチキレて、乱暴に追い返してしまう。が、それで諦めるムースではない。今度はハンターの留守中に屋敷へ侵入し、謝罪の手紙を置いてこようとするのだが、留守を守るメイドに見つかり、謝って彼女をつき飛ばし死なせてしまった…


「ファナティック」。

以下、君はネタバレだ。ネタバレ無しでは俺は無に等しい。

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いわゆるスターストーカー、セレブストーカーの話。「恐怖のメロディ」「ザ・ファン」「ミザリー」などサイコなストーカーさんの話はたくさんあるけど、本作は「キング・オブ・コメディ」→「ジョーカー」の影響が濃い作品。主人公のムースは、サイコパスではなくピュアな奴で、名声欲もありません。しかし同時に、他人の感情に忖度しない発達障害のように見えます。一目で病気とわかるその演技、さすがトラボルタといったところ。対するハンター・ダンパーは、見た目のナイスガイとは異なるキャラクター。おそらく根は短気なんだけどアンガーコントロールしているのかな、と思える男です。もともとビル・パクストンが演じる予定でしたが急逝にて演者が変わりました。これまでのような犯罪者vs被害者、悪vs善という構図のストーカー映画ではなく、病人vsちょっとゲスな奴という構図なのが新鮮。しかしそれ故にどちらにも感情移入を許さない、というのがマイナスかな。


トラボルタがラジー賞を獲得した本作、オチがイマイチ、イマニくらいの出来ですけど、映画ネタもふんだんですのでオタクには充分楽しめます。なんであんなにジェイミー・リー・カーティスいじるかな?^_^


あと余談。パパラッチのリアが撮り逃したセレブの名前がコンラッド・ホールで、「ん?」と思ってたらエンドクレジットに「撮影:コンラッド・W.ホール」と出てびっくり。…ええ! あの名カメラマンがこんな映画に⁈ と驚いたんです。
しかし、このコンラッド・W.ホールは息子の方。名カメラマンの父親コンラッド・L.ホールは既に亡くなっていました。
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