オアシスの曲にもワンダーウォールというものがあるが、その歌詞で使われるワンダーウォールにはたくさんの和訳がつけられている。理想や心の支え、直訳すると不思議な壁など。この作品でのワンダーウォールは、学生たちの居場所で心の拠り所である近衛寮そのものであり、学生が積み上げてきた歴史や記憶、想いなのでは。
そして、ぶち壊すことの難しい経済至上主義、権力構造は不思議で怪しい壁として立ちはだかる。学生運動が激化した時代と比べて今は声を上げることも回避されるような世の中だからこそ、見る価値があると思った。今の政治にも置き換えられる。
