TAK44マグナム

ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷のTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

3.5
殺人鬼はお化け屋敷を一生懸命作ってる!


海外のホラー映画専門の配信サイトで一番人気を獲ったという本作。
イーライ・ロスが製作、「クワイエット・プレイス」の脚本家が担当しているスラッシャーホラーです。
ハロウィンの夜、ボンクラな若者たちが「ハッピーハロウィーン🎃」とお化け屋敷に入ったら、そこは生きては出られぬ殺人鬼の巣窟だったというお話。
主演の女優さんはアメリカンアイドルの出身なんですね。


古式ゆかしいスラッシャーホラーの匂いがプンプンする作風。
それに未だ流行りのデスゲーム要素を加えた感じです。
前半はお化け屋敷を進んでゆくだけで、不穏な雰囲気はバリバリなものの本当に何も起きません。
それが段々とシャレにならなくなってくる、そのもっていき方は巧い。
主人公たちとは違うグループの女の子が目の前で殺されるのを、自分たちの番がまわってくるまでショーの一部だと信じて疑わないボンクラ具合も「まぁ、そりゃそうなるな」と納得できます。
だってお化け屋敷だし。
ただ少し引っ張りすぎだとは思いました。
スラッシャーとしてのノリがよくなるまでに飽きてしまう可能性も高いでしょう、これ。

なんだか分からないけれどハロウィンの度に若者を罠にかけてはブチ殺している殺人鬼は全部で6人。
「ここまでこれたのはお前が初めてだ」なんてジャンプの漫画に出てくる悪役みたいな台詞を吐いちゃうのは苦笑いする他なかったです。
どうせなら一言も喋らないほうが雰囲気あって良かったんじゃないかな。

絵作りは好み。
チェーンソー持った殺人鬼が立っているとか、そりゃ怖いでしょう。
しかし映画に勢いがでてくるのはかなり終盤になってからで、ヒロインの逆襲が始まってから。
キレたヒロインがかなり無双設定で、殺人鬼側の弱体化がすごい(苦笑)
マスクをとった素顔も・・・っていう不気味な正体は悪くなかったんですけどね。
あんな奴らがトンテンカンテンとお化け屋敷を頑張って建てて、アトラクションも考えて作ったなんて、そこを見せたら文化祭的なノリで面白かったんじゃないですかね(苦笑)
そういう殺人大工リアリティショー。
殺人ショーより視聴率とれそうだけど!


ちゃんとオチがついたのは良かったです。
雰囲気としてはロブ・ゾンビの「31サーティワン」と似ていますが、あちらより分かりやすいし一般ウケしそう。
思ったよりゴア濃度は高くありませんが、こういったタイプのホラー映画がシネコンでかかるのは大歓迎♪
もっとゲロ凄いの沢山あるので、これからもどんどん公開していって欲しいものですね!


劇場(イオンシネマ海老名)にて