遥は、オリンピック候補として将来を有望された走り高跳びの選手でした…突然の交通事故に遭い下半身が麻痺するまでは…
塞ぎ込み、自暴自棄になった遥が出会ったのは、"パラカヌー"
周囲の人々に支えられながら、パラリンピックを目指すという新しい夢への挑戦が始まる…
実に素直な作品で、見終わった後に爽やかな余韻を残します。
遥は、走り高跳びの選手としては有望であったかもしれませんが、人としては高慢で我が儘。
確かに努力の上に成り立った絶対的な自信なのかもしれませんが、この状態であったらオリンピックには行けなかったかもしれません。
事故に遭ったのは、不幸である事は間違いないのですが、事故に遭い歩けなくなった事で彼女はこれまでの自分自身を振り返り、自らの過ちに気がついて行くと同時に、新たな夢への挑戦に全力を注ぐのです。
ただ、"これがダメなら、これをやればいい"という単純な話ではなく、遥が色々な思いを感じると共に気持ちを整理していった上でのパラカヌーへの挑戦という所は、単純な再生の話とは違った重さを感じ、この部分があるからこそ、最後のシーンが生かされているように感じます。
遥を演じた中条あやみが、綺麗なんだけど、冷たくて、お高くて、何だか嫌な感じから、素直な美しさに変わっていく様は中々魅せてくれました。
変に恋愛に走ったりせず、周囲の人々への感謝を忘れず、ひたむきにカヌーを練習する姿のみを追いかける展開にも好感が持てます。
以前の私なら劇場は勿論、レンタルでも見ない系統の作品ですが、歳取ったのかな〜?
思いのほか良い作品です。