恋愛をテーマにした上質コント、例えば東京03とかジャルジャルを観ているような感じ。
何てことはない、言ってしまえばどうでもいい話が連なってるだけなんだけど、心地よい映画時間を与えてくれた、爽やかな春風みたいな映画だと思いました。
恋人から別れ話を持ちかけられる、
突然自主映画への出演を頼まれて出てみる、その打ち上げで出会いがある、
いろんな振り、起承転結の承が幾度とあるのに、そこから何かドラマが発展する訳ではない、何も大きなことは起きないのです。
でも、何気ないエピソードの中には、実際に生きて、話して、ちょっと傷ついたり、ちょっと喜んだりする「生きた人の営み」がナチュラルに描かれている気がします。
僕が一番好きなのは、青とイハちゃんの長回りの今夜出会ったのに恋バナお泊りシーン。
何かいいんだよな、もう絶対に自分には訪れない、あーゆーシュチュエーション！例えると今、そう開花宣言をまだかなって待っている今の感じ、人生の開花宣言前の、ちょっと開放的、でも、どこかに遠慮や良識はあって、でも、期待してないとも言えないドキドキもある。羨ましいなあ🤪
この映画はそんな普通の男女の日常描写の中に、最初に書いたように、まるで練りに練られた秀逸なコントのような笑タイムが付いています。
「あんたはちょっと黙ってて！」は、絶好調の東京03のコントのクライマックスの畳み込みみたいで、笑っちゃった！
最初のカップルの試着や撮影打ち上げのアウェイ感の飲み会場面も面白かったなあ、（こーゆー場面も劇場でみんなと共有すると、楽しさも何倍にもなるねー）
若葉竜也さんの周りの女の子がみんな良い。
あのちょっと可愛くて、気になる感じ。絶妙なキャスティングとそれを引き出す今泉力哉演出の力なんだろうな。
それにやっぱり若葉竜也さんかな〜。基本的にはもちろん良い人なんだけど、でも、少しウジウジしてるし、大事なところでガチガチになるし、どっか期待しちゃってる下心がぜろではないし、彼女が忘れられないけど、機会があれば誘ってよって思ってるし、
でも、結局良い奴なんだよ、って微妙なナイスガイ感が実に上手い！
作品が違うから一概に比較できないけれど、同じ今泉作品でも田中圭や瀬戸康史（今泉監督作じょないけど関連作）などテレビで馴染みの俳優さんには出せない味だと思いました。
見易いので結構今泉作品を観ていますが、僕も本作が今泉映画のベストだと思いました。
