このレビューはネタバレを含みます
古着屋で働く青は恋人のユキが不倫し、別れ話を持ちかけられる。ユキと別れ、無気力状態の青だったが、卒制の映画に出演してほしいと女子大生からオファーをもらったことをきっかけに新たな関係が生まれていく。
130分間、他人の恋愛模様をニヤニヤしながら観る至福の時間。
『愛がなんだ』では岸井ゆきの演じるテルコの強烈な個性が物語の推進力になっているのに対し、本作は若葉竜也演じるどこにでもいるような落ち着いた優しい青年が周囲の人間に巻き込まれていく群像劇になっている。
下北沢に舞台を限定することで、そこに生きる人々の密な交流を描くことに成功している。中でも中田青渚演じるイハとの食卓を挟んだ超ロングテイクは初対面の2人の距離が近づいていく何かが生まれそうなワクワク感でいっぱいだった。
マヒトゥ・ザ・ピーポーや成田凌などの特別ゲストだけでなく、インディーズから商業へ羽ばたく若手俳優たちが生き生きと下北の住人となり、下北沢という街の雰囲気を作り出している。
これほど下北沢に住みたいと思える映画に生涯出会えるだろうか
とにかく劇場公開が待ち遠しい一本
