おいこら映画館、クリスマスまで上映続けろよ。約束だぞ。
本日2回目を見たが、いや本当、こんなすごい映画よく作ったなと驚きの連続……全シーンに驚きがある。追剥から首無し聖人、狐、毒きのこと幻覚、巨人、奇怪な夫婦と、すさまじく豊かなイマジネーションを見せつけておいて、しかもラストでは心胆寒からしむる絶望的光景を描いておいて、最後の最後、ものの数分で、くるっと「粋なクリスマス映画」みたいになってしまうのだから痺れる。
主人公が礼拝所に辿り着くシーンは空がくすんだオレンジ色になり、まるでサイレント期の着色映画のような、異様な雰囲気があってこれまた圧倒される。このシークエンスは構図も完璧ですごい! 最終的に職場のかっこいいパイセンみたい(わたしの印象)になる「緑の騎士」の重低音が最高。ってか挿入歌・BGM・効果音など、サウンドも全般繊細極まる作りで、ずっと聞いていたいと感じた。
あと、アリシア・ヴィキャンデルを「純情娼婦」「ドエロ人妻」の2役で用いるというのも贅沢すぎてヤバい。カメラ・オブスクラを用いた肖像画(フィクションらしい嘘かと思いきや、当時すでに知識としては存在していたらしい)などのハッタリが心憎い。