ゆず

355のゆずのレビュー・感想・評価

355(2022年製作の映画)
5.0
各国の女性エージェントが史上最悪のテクノロジー兵器をめぐって争奪戦と共闘を繰り広げるスパイ映画。ジェシカ・チャステイン、ダイアン・クルーガー、ルピタ・ニョンゴ、ペネロペ・クルス、ファン・ビンビンら、主役級の俳優が集結。アクションやドラマも見応えありで、満足度の高いかっこいいスパイ・アクション。

「死角」という言葉が何度か出てくるので、"355"とは死角を意味しているのかと深読みしながら見ていたが、ちがった(笑)(360°に5°足りない、つまり死角があるということ)
"355"はアメリカ独立戦争時に実在したとされる女性スパイのコードネームから借りたそうだ。
しかし、"死角"がそれなりに重要なシナリオではある。(しつこい)

面白かったのは、パートナーに毎晩電話するMI6や、子供たちとテレビ通話する諜報機関のセラピスト。
男性スパイが家庭を顧みずに仕事に没頭している時、女性スパイは仕事と家庭の両立を強いられている。これがスパイに限らず女性が向き合っている現実なのであり、この不均衡を是正していかなければ女性差別は解消されない。

果たしてジェシカ・チャステインがそういう思いで本作を製作したかは分からないが、彼女が殺し屋を演じた「AVA/エヴァ」でも、殺し屋なのに実家に帰ったり、殺し屋なのに元カレと会ったりしていたので、上の描写はわりとすんなり受け入れられた。
仕事人である前に一人の人間であることを忘れたくなかったのかもしれない。
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