いなだ

2人のローマ教皇のいなだのレビュー・感想・評価

2人のローマ教皇(2019年製作の映画)
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ローマ教皇の話題はニュースでたまに聞いたことあるな〜くらいだったが、この映画は二人の人間の<対話>を描いていて、とても良かった。保守派の現教皇が改革派(?)のアルゼンチンの枢機卿(後のローマ教皇)と話をして、考え方が変化していくという筋書きで、当初教皇は時代に合わせた変化を“妥協である“と捉えていて否定的だった。変化に肯定的な枢機卿は、過去の軍事独裁政権下での自分の過ちによる内省から赦しへと導かれ、必要なのは壁ではなく橋であると、開かれた教義を説くようになる、という経緯が劇中で語られる。話を続けることで、それぞれが大事にしているものが浮き彫りになっていき、“立ち止まらず、歩き続けましょう”というラストに向かっていく。
ほぼずっと教皇と枢機卿が話してるだけなのに、こんなに面白いと思わなかった。茶目っ気もある。
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