トモ

劇場版 そして、生きるのトモのレビュー・感想・評価

劇場版 そして、生きる(2019年製作の映画)
4.3
WOWOWでこの前まで放送されていた連続ドラマW(全6話)の劇場版。「MOZU」のように他局との共同制作から映画化されたものはあるが、純粋に連続ドラマWを編集して映画化されたのは今作が初めて

ドラマ好きの自分がほとんど観ている一番好きなWOWOWドラマ、映像音楽、制約の無い中でのドラマ作り、家で観ていても映画以上と思う作品が沢山ある

なので今回の劇場版というのは個人的に物凄く幸せな取り組み、転換点、しかもその作品が有村架純さん、坂口健太郎君、岡田惠和さん脚本、月川翔監督である事

更に今作は完成披露試写として第1話をスクリーンで観れたという幸運

と、余談ばかりなのは残念ながら作品として劇場版である理由が感じられなかったから

時間短縮による物理的要因の描写不足、ドラマを観ているにも関わらず人物背景や時間経過に思いを巡らせたり、察したりするのが非常に難しかった、そここそ大切だし、ドラマには感じ取れる部分が沢山あったから勿体無い

好きなシーンも省かれていた、清隆とハンの別れの前の会話、清隆が何故ハンと一緒にいたのか、過去と今を抱えた清隆が立ち直れたのはハンの支えがあったから、短い会話の中に描かれていない経緯をよみがえらせられる名シーンだったのに

全6話でも波乱の畳み掛けやストーリーのダイジェスト感が気になったのに編集で更にそれが濃密になった感じ

ただもしかしたらドラマ未見の方にとっては気にならない部分かも、元々素晴らしい作品なので

瞳子と和孝親子の回想を含めた生と死の場面、血のつながらない親子が歩んできた道筋がよみがえる名シーン、瞳子と清隆のラストの別れの名シーン、本当に素晴らしい作品だなと思えるシーンが多い

そしてそんな秀逸作をスクリーンで観るというのが劇場版である最大の魅力でやる価値が十分あると思う

「悪党」の瀬々監督、「本日はお日柄もよく」の佐々部監督、「希望ヶ丘の人びと」の深川監督、「闇の伴走者」の三木監督、「春が来た」の河合監督等々、元々2時間という映画枠メインで活動されている監督の参加が多いWOWOWドラマだけにこの両刀パターンは続けて欲しい
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