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MONOS 猿と呼ばれし者たちのrage30のネタバレレビュー・内容・結末

MONOS 猿と呼ばれし者たち(2019年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

コロンビアの少年兵部隊を描いた作品。

少年兵がテーマという事で、バイオレントな映画になるのかと思いきや、意外にも戦闘シーンは少なめ。
特に序盤は少年兵部隊の日常が淡々と描かれるので、拍子抜けしてしまう人も多いのではないでしょうか。
男子だけでなく女子もいたり、部隊内での恋愛も認められていたりと、少年兵のイメージを覆す様な設定は興味深かったし、国や時代を特定しない抽象的な世界観も印象に残りました。

そんなモラトリアムな前半に対し、後半は一転して、人質の脱走と部隊の崩壊というシリアスな展開を迎えます。
兵士と言えど所詮は子供という事で、些細な油断から次々とミスを犯す少年兵達。
遂には大人の教官すら殺してしまい、いよいよ暴走し始めます。

この辺から、この映画が一体どこに向かうのか分からなくなっていくわけですが、そこが本作の面白いところであり、好みが分かれるところでもあるのかなと。
個人的には、ゴールが分からなくなった事で、集中力を欠いてしまいました。
明確な主人公も存在しないし、どういう視点で見ればいいのか分からなくなってしまったんですよね。
結局はランボーの脱出で映画は終えますが、終盤はどうにも性急な印象が拭えず…。

逆にあのアッサリした締め方が良いという人もいるだろうし、観客に問い掛ける様なラストも良いとは思うのですが、私には合わなかったかな~という感じ。
結構アート映画的な作りの作品でもあるので、好き嫌いの分かれる作品かもしれません。
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