ユーライ

ユンヒへのユーライのレビュー・感想・評価

ユンヒへ(2019年製作の映画)
4.0
時代によって離れ離れになるしかなかった二人のその後を描いた『夢の端々』。ただ、あちらが時々を象徴する事物を積極的に取り入れていたのに対し、こちらは具体を避けている感がある。説明を排することによってどこかファンタジックな印象すら出てくるが、それは旅行映画であるにも関わらず、韓国と日本の町並みが間違い探しのような変わり映えのなさ、移動の長さを感じさせない物理的な距離感の希薄さによる。劇的ではないのでテーマに対して及び腰になっている気もするが、移住などせずに逢瀬を程よく切り上げる姿勢こそ、ジャンルからは出てこない微妙な愛の形を捉えた上品さだろう。若者二人が異性愛であることも普遍を押し上げている。「情愛」は画面に映らずとも良い。
ユーライ

ユーライ