とにかく冬の小樽が良すぎる。
パステルカラーに彩られた家々、雪の反射光でライトグレーに染まった街並み、白銀の山。
夜のしんとした空気と吸い寄せられるような光を放つ街灯。
風景だけで癒される映画としてまずおすすめできる。
ストーリーは冬の小樽と韓国を行き来しながら進んでいく。
主演の女性二人はお互いをかけがえのない存在と思いながらも、周囲の目や家族の事情によって離れ離れになってしまう。
過去を引きずる二人の凍てついた表情が、ユンヒの娘の温かいイタズラで氷解していく様が見どころ。
二人の間柄を、分かりやすい回想シーンではなく、手紙の独白と表情でああ、と理解させるところも上品ですな。
「雪はいつ止むのかな」という言葉が、いつか雪が止んでやってくる暖かい春、をイメージさせ、ラストに繋がっていく感じもいい。