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グッドバイ 嘘からはじまる人生喜劇のmotoiのレビュー・感想・評価

4.0
太宰治の未完の遺作だからとか、成島監督作品だからとかそんな拘りは一切無く、大泉洋さんと小池栄子さんの共演ならなんかいい物見せてくれるんじゃないの?なんて、その程度の軽い気持ちで観てきました。あまり期待して無かったのが良かったのか、意外といいじゃないですか!これ。
自分にとっては当たりでしたね。

元は舞台化した作品を映画化したそうですね。なるほど映像で一から十まで説明するような感じではなく、役者同士の会話や演技の応酬で観客に訴え掛ける感じは、ベースが戯曲というのがよくわかります。
またストーリーも間延びするような点を与えず、テンポ良く進むのも良かったですね。

まあ難点を言うとすれば、大泉洋さん演じる田島のキャラクターに共感出来るか?ですかね。
田島は女性にモテて愛人が沢山居るが、まっとうに生きていこうと改心します。そして愛人達と別れる決意をするんですがブレブレで、自業自得の流れになります。その奮闘ぶりは観ていて面白いものの、およそ共感出来るような人物ではありません。
そんな彼でも、後半のある件をきっかけに応援したくなります。最後にきっちりと、観客の琴線に触れる展開を用意するとは上手い脚本だなと。つい涙腺が緩んでしまいましたね。

まあなんだかんだ言っても、この作品は小池栄子さんが光ってます。「記憶にございません」の演技も良かったですが、色々な役柄を演じられる素養を持ってますよね、感心しました。
但し、あの声は役柄の為に敢えてでしょうが、最初から最後まで自分は違和感が…いつもの声でもいいんじゃないのかなあと(^_^;)
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