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ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONEのMrOwlのレビュー・感想・評価

4.2
エンターテイメントアクションスパイ映画として劇場で映像体験を楽しむ作品ですね。トム・クルーズ主演のスパイアクション『ミッション:インポッシブル』シリーズの第7弾。164分の長編です。本作もシリーズ7作目なんですね。映画シリーズの元は1966年から1973年まで放送されたアメリカ合衆国のテレビドラマ『スパイ大作戦』(スパイだいさくせん、原題: Mission: Impossible)です。なので耳馴染みのあるあのテーマソングが映画シリーズでも使用されています。IMFという組織名称もテレビシリーズで既に使用されていた名称ですね。メッセージのカセットテープが自動的に消去されるといったスパイもののテレビシリーズのワクワク感をそのままに、テクノロジーや国際情勢は現代に合わせ、アクションのスケールを大きくしたエンターテイメントアクションスパイ映画として、007との双璧をなすと言っても過言ではないシリーズに成長させたトム・クルーズは流石です。本作も、劇場の大スクリーンで見ることを重視した画角、アクション、迫力に拘って作られています。劇場での映像体験をするために作られたエンターテイメント作品でした。164分という長尺ですが、テンポの良い、そして緊迫感のあるアクションシーンの連続で知らず知らず体に力が入ってしまうほどに没入していました。途中からは長さは感じませんでしたね。そして既に続編が楽しみになっています。本作も時勢に合わせ、AIや新たな戦争、世界秩序といったテーマと、人間の選択、決断、友人との繋がりといった人間性もテーマとして盛り込まれていました。ただ、トムの近年の大ヒット作であるトップガン・マーヴェリックと比べると、人間性の部分の掘り下げ方は深くないので、マーヴェリックを見て期待値が上がっているファンの方にはその点は物足りなく感じてしまうかもしれません。それに監督はあのサスペンス・ミステリーの名作「ユージュアル・サスペクツ」の脚本で知られるクリストファー・マッカリー監督なので、脚本の妙に期待し過ぎないように注意です(笑)。本作はあくまでもエンターテイメントアクションスパイ映画として楽しむのが良いと思います。一応、深みのあるセリフはヴィング・レイムス演じるルーサーが担当してくれてはいますので、軽々な感じの作品にはなっていません。ベンジー役のサイモン・ペッグ、イルサ役のレベッカ・ファーガソン、ヴァネッサ・ヌアラ・カービーのホワイト・ウィドウも健在です。本作ではあらたなヒロイン的ポジションでヘイリー・アトウェルがグレースを演じています。なかなか良いキャラですね。ヘイリー・アトウェルはキャプテン・アメリカ、マーベルシリーズではペギー・カーターを演じている女優さんです。その他に、本作で存在感があったのはポム・クレメンティエフさんですね。ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーシリーズでは「マンティス」役でコミカルなキャラを演じていましたが、本作ではトム演じるイーサンをつけ狙う刺客として強くて怖いキャラを演じています。体も絞られていて、アクションシーンのトレーニングをかなり積んだんだなと感じさせる動きの良さでした。顔立ちは欧米人っぽくないなと思っていましたが、父(フランス・ロシア系)、母(韓国人)のカナダ生まれのフランス人女優さんなんですね。腑に落ちました。というように女性キャラクターも個性的な面々が存在感を示している作品でもあります。皆さんも劇場の大スクリーンでエンターテイメントアクションスパイ映画を体験してみては如何でしょうか。面白かったですよ。
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