前作『フォールアウト』や『トップガン マーヴェリック』など、最近の彼の映画が「トム・クルーズ」というジャンル映画としてかなり完成されていた分、やや物足りなく感じた。それは要求水準が高すぎるのかもしれないが……。
アクションに関しては「やってくれたな！」と大喜びしたくなる部分もある（カーチェイスとか最後の畳み掛ける電車アクションとか、予告編でもフィーチャーされてる飛び降りとか）けど、それ以外の平場がいかんせん退屈。何の話をしてるのか分からない（てか分かってもどうしようもないな、と思わされる）時間が長い。そこが痛い。フォールアウトはアクションの量と質がもっと上だったように思う。あとトップガンもそこはもっと上手だったはず。
電車アクションだけはまじで褒め称えたい。吊り橋が破壊され、ギリギリで電車が止まるかどうかというアクション映画のクリシェ的シーンをアップデート。物理法則は若干無視してるような気がしなくもないけど、全然いい。面白えから。こういうシーンの新しい見せ方、まだありますよね？と提示してくれるのは嬉しい。
イーサンの動機が「女の命」なのと、イルサが劇中二回死ぬのは、ちょっとどうなんだ……と思わなくはない。次作に期待。
