TAK44マグナム

Book of Monsters(原題)のTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

Book of Monsters(原題)(2018年製作の映画)
3.7
誕生日は怪物と!


どこからどう見ても18歳には見えないJK3人組が「おまんら、ゆるさんぜよ!」と誕生日パーティを台無しにしてくれた怪物たちを成敗する、人体破壊スプラッター!


小さい頃にママを怪物にバラバラにされ、パパに精神病院に入れられていたソフィも無事に18歳の誕生日を迎えようとしていました。
親友たちとバースディパーティを開き、招待したかどうか怪しいボンクラ共もわんさかと集まって、早速の乱痴気騒ぎ。
そんなこんなしていると、ママがよく読んでくれた本に載っているのとクリソツな怪物が玄関からこんにちは!してきて、ボンクラの1人を真っ二つに引き裂いたではありませんか!
実は、とある理由からソフィを狙うシェイプシフターが、血の儀式によって仲間の怪物たちを呼び寄せたのです。
誰だか分からないボンクラはともかく、親友や愛しい女子(ソフィはレズっ子です)の命を守るべく、ソフィは唸りをあげるチェーンソーを振り回すのでした!
血みどろバトルの軍配はJKか、怪物か、はたしてどちらに上がるのでしょうか?!


とりあえず、「35歳の高校生」の米倉涼子か!ってぐらいに誰もかれもが高校生には見えませんでした。
いや、実年齢は知らないけれど、海外のティーンは大人びていすぎです。

そして、隅から隅まで見事にチープ感ただよう出来。
でも、手作り感でいっぱいの怪物やゴア描写は嫌いではありません。
というか、むしろ好き。
頑張って作ったよ!という夏休みの工作みたいで微笑ましいぐらいですよ!
チープでダメだなと思うのは、まるでドラマのパイロット版の様なノリと、押しの弱い音楽でしょうか。
たぶんホラーコメディに分類される作品だと思いますが、セリフにキレもあまり無く、一部の演出がタルいのも気になりました。
最初の怪物の襲撃は豪快でとても期待できたのに、作品全体だと少し勢いが感じられないのが惜しい。
ストリッパーなんて、もっとバカ丸出しのキャラでも歓迎したのに。
それと、メチャクチャにグロリンチョなのにエロリンチョが無いのも寂しかったですね。
健全といえば健全だけども。
いや、あれだけ人体破壊で無茶やっていて健全も何もないか(汗)!

とどのつまり、本作は生首ブッコ抜きや胴体真っ二つ、指がポポーン!などの刺激的な残酷描写を楽しむための映画!
それにつきます。
ノリはライトでも血しぶきは容赦なく飛ぶので、そういう類いに耐性がない方にはオススメできません。
西洋の獅子舞みたいなのに手足をもがれたり、ガブリエル・バータロス監督のキワモノホラーである「バーサーカー」に出てくる外科医みたいなマスカー殺人鬼にザクザクと刺されたり、キモいワームから生まれた小人が電子レンジで爆発したり、人に乗り移る魔女みたいなのが絵から出てきたり、様々なヴァリエーションを誇る怪物軍団の血肉にまみれた残虐行為、そしてその怪物たちをチェーンソーや斧でブッタ斬る35歳のJKたちの活躍を、ヤンヤヤンヤと喝采をおくれる猛者にこそ相応しいジェノサイドムービーなのです。

各怪物にはそれぞれ弱点があり、それをママから本を受け継いだソフィが解読して倒すパターンで、どいつもこいつも意外と呆気なく倒されちゃいます。
そのおかげで多彩な怪物たちがテンポよく登場できるわけですが、簡単に倒せるとなると、その点ではあまりスリルは感じられませんでした。
ボス格のシェイプシフターぐらい、もっと強くて苦戦しても良かったんですけれどね。
メチャ強いって本には書いてあったのに、一番弱かったような気がするぞ(汗)。


それにしても、あれだけの大惨事をどう周囲に説明したのかが気になりますが、終わり方が終わり方なので続編を熱望しておきます!


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