このレビューはネタバレを含みます
起きた殺人は1人。
しかし、そこから広がる歴史の歪みは深くて、ドロっとした何かを飲み込むような思いに駆られます。
西ヨーロッパを舞台にした映画を立て続けに見ていると、
1944年ー45年に絡んだ年号はすべて第二次世界大戦につながるような気がします。いや、気がします、ではないですね。いつもダイレクトに繋がります。20世紀を生きたヨーロッパの人々の共通認識のようです。
復讐と、その原因となった凄惨な事件。この2つがテーマかと思いきや、その間にあった、戦争犯罪者への訴訟が審理されなかったと、いう事実。意表を突かれました。
「顔のないヒトラーたち」でも触れられていたように、ドイツ国民はナチス党員を戦後も朋友のように扱っていたことがある。この事実がさらに戦後の問題をややこしくしています。
今は21世紀ですが、ナチスの影は本当にドイツから消えているのでしょうか?