めしいらず

コリーニ事件のめしいらずのネタバレレビュー・内容・結末

コリーニ事件(2019年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

作家であり弁護士でもあるF・V・シーラッハが、実際にヒトラーユーゲント指導者だった祖父のことをストーリーに織り込んで描いた法廷サスペンス小説の映画化。法廷シーンに原作のような緊迫感があまりないし、登場人物の描かれ方が些か表面的な気もするけれど、私たちがほとんど知らない戦後ドイツ史の闇の部分に切り込んだ意欲作だったと思う。多くの戦争犯罪人に時効を与え放免したドレーアー法。故殺と謀殺の間の線引き。裁きを逃れていた男への被告人の報復の残虐さは、あの時の男のやり口そのままだ。この国の正義の有無を見届けた被告人がとった行動は最初からそうと決めていたもの。残された家族まで罪を背負わなくていい。その為にも罪はその時にちゃんと裁かれねばならないのだ。翻ってナチの呪縛の根深さを思い知らされる。
めしいらず

めしいらず