昭和の終わりから平成の始まりの約9年間を圧倒的な密度で駆け抜け「愛」「夢」「自由」「社会からの解放」を歌った伝説のシンガー尾崎豊の人間性やアーティスト性に迫ったドキュメンタリー。
僕が産まれたのは尾崎豊が亡くなってからで親の影響で聴き始めた世代です。
「愛、夢」をテーマにして歌うとなるとどうしても陳腐になってしまいがちですが、彼の歌声にはその壮大なテーマを聴き手の心に響かせる力があり、ペース配分など無視した全力の型破りなパフォーマンスで彼の表現しようとしている世界観にあっという間に引き摺り込まれてしまう。
今作を観て今のアーティストには無い熱さが尾崎豊という存在を神格化しているのだとはっきりとわかりました。
冒頭のギャルっぽいティーンネイジャーの「尾崎豊なんて知らない〜」と笑いながら答える心底腹が立つインタビューにまぁそれもそうだよなと半信諦めながらも納得する現代の声から終盤の尾崎豊が好きと答える同年代の女の子の対比がとても良く、死してなお平成を超え令和の現代にも尾崎豊の唄ったメッセージは確実に今も鳴り響いている。
令和の時代に尾崎豊を探して。
