mrかっちゃん

ほかげのmrかっちゃんのレビュー・感想・評価

ほかげ(2023年製作の映画)
4.2
塚本監督の約5年ぶりになる新作で監督曰く「野火、斬、」に続く戦争映画3部作目にあたる映画。

直接的な戦争描写は無いものの民衆の視点から戦争の被害を浮き彫りにしていく。
お金を稼ぐために身体を売る女、
ある目的のために旅をする片手が動かない元軍人、家族を失った孤児の3人を主軸に描く大胆な2部構成

監督にしては控えめな暴力描写ですが、それでも心を抉る表現があります。
PTSDや戦争による後遺症を入れることで反戦への思いをリアルに伝えている。

趣里さんの心が死んだ前半の演技から、子供との交流を経て心を取り戻していく憑依演技は存在感がある。
朝ドラ「ブギウギ」では関西弁でハツラツとした明るい人物と素晴らしい歌声を披露しているのを毎朝見ているので、素晴らしい役者だなと思います。

上映後監督が登壇される舞台挨拶があり貴重な話を聞くことが出来ました。
緊張しながらした質問にも答えてくれて嬉しかったです。
優しくて朗らかなお方でした。
次回作はジャンル映画で、お待ちしております。